犬の肥満と減量について悩んでいる飼い主さんへ

犬の肥満と減量について悩んでいる飼い主さんはとても多いです。とくにダックスフント、ビーグル、コーギーなどの太りやすい体質を持つ犬は一度体重が増加すると、なかなか減量させることが難しいのです。

 

 

犬の肥満と減量について なぜ太ったらダメなのか

 

犬の肥満は寿命が短くなる

ちょっとくらい太っていても健康だから大丈夫という飼い主さんもいらっしゃいますが、肥満は研究によると犬の寿命を短くさせることがわかっています。調査では最大10ヶ月も寿命が縮まったのです。

少しでも長生きしてほしい愛犬なのに太らせてしまったことで寿命が短くなるというのは、とてもつらいことです。

 

犬の肥満は病気の原因になる

犬の肥満は病気の原因にもなるのです。自然界ではありえない「肥満」にさせることで、次のような病気になる可能性が高まります。

 

  • 心臓病・血管疾患

犬の心臓の病気は遺伝的なものも多いですが、肥満による心臓への負担はとても大きいです。体脂肪の増えた体全体に酸素を送るため心臓が必要以上にがんばることになります。高齢になって発症することも多く、高血圧状態が続くと人間と同じように動脈硬化なども同時に引き起こします。

 

  • 関節炎・関節疾患

肥満している犬ではひざの十字靱帯の断裂がおこりやすいといわれています。また脱臼や肘関節の炎症についても肥満犬では確率が高いです。椎間板ヘルニアになる危険性も高まりますので、肥満は早めに解消しておく必要があります。

 

  • 皮膚疾患

犬が肥満になると足の付け根など、股ズレ状態になり湿疹ができるなどして細菌が繁殖して皮膚炎になる場合があります。一度皮膚炎になってしまうと、犬はなめたり、かいたりするのでどんどんと悪化してしまいます。

 

  • 糖尿病

オスよりもメスの方が発症率が高いといわれている糖尿病ですが、肥満犬ではとても多い病気です。急に水を飲む量が増えた場合には、獣医での受診が必要で、投薬治療を受けることになります。糖尿病の怖いところは白内障や肝疾患などの合併症を引き起こすことです。

 

  • 高脂血症

肥満犬では血液検査で見つかることの多い高脂血症。血液中の脂肪が基準を大きく上回っている状態です。高脂血症の場合、糖尿病、膵炎、肝疾患、甲状腺機能低下などが疑われます。

 

  • 副腎皮質機能亢進症

副腎皮質ホルモンの以上による病気で、クッシング症候群とも呼ばれています。お腹が膨らんでいることで気づくことや水をよく飲むことで発見されることが多いです。皮膚トラブル、血栓症、ひどくなれば神経症状を引き起こし突然死となる場合があります。

 

  • 甲状腺機能低下症

副腎皮質機能亢進症は治りにくい皮膚炎を併発させる厄介な症状です。神経疾患、生殖器疾患なども引き起こすことがあります。一度発症してしまうとずっと投薬を続けることになるので、生涯血液検査などの通院が避けられません。

 

  • 麻酔合併症

高齢の犬、肥満の犬では麻酔のリスクが非常に高くなります。心臓障害、呼吸器障害、肝機能障害、腎機能障害、ショック症状などさまざまな合併症を引き起こす可能性が高くなり、最悪の場合は死に至ります。

 

  • 肥満細胞腫

肥満細胞とは免疫細胞の一種でヒスタミンという物質を出します。通常は外からの遺物に対して炎症反応やアレルギー反応を起こしますが、肥満細胞が腫瘍化しリンパ節や全身にガンを転移させます。腫瘍部分を手術で取りのぞいても、転移のスピードは早く再発することが多いです。

 



犬が病気になるとつらくてかわいそうな思いをさせてしまうだけでなく、高額の医療費がかかることになります。犬の肥満は重大な病気のサインだと考えてただちにダイエットを始めましょう。

 

犬の肥満と減量について ダイエットの方法

簡単にダイエットといっても、犬の場合はとても難しいです。なぜならもともと狩猟犬であった本来の運動量を考えると、とても普段の散歩では足りません。運動量が少ないのに食べ物をたくさん与えてしまっていたということなのです。

 

次に犬は食べることが大好きです。だから飼い主さんもついつい減量を「かわいそう」と思ってしまうのです。また愛くるしい目でおやつをおねだりされれば、誰だってあげてしまいます。そこを心を鬼にしてダイエットをしなくてはなりません。

 

基本的にダイエットは「運動」と「食事制限」しか方法はありません。その両方を根気よく続けることです。年をとって運動が負担になってしまう前に痩せることが大事です。

 

 

犬のダイエット 散歩の距離をこれまでより長くする

これは知り合いが実践して成功した方法です。食事制限がかわいそうだという一心で、毎日1時間以上の散歩をするようにして体重を落とすことに成功しました。シンプルですが飼い主さんの健康にもいいことからおすすめの方法です。

 

犬のダイエット 食事を1日3回に分けて与える

食事を3回に分けて与えることで、吸収を抑え、犬に満足感を与えます。もちろん1回の食事量は少なくなりますが回数が増えるので犬の食事をする喜びの回数も増えますね。

 

犬のダイエット 食事に野菜を加える

食事量が少なくて犬がダイエットをストレスだと感じてしまってはかわいそうです。ゆでたキャベツなどを食事に混ぜて「かさまし」をしてあげましょう。おからなどもタンパク質なのでいいといわれています。

 

犬のダイエット 低脂肪なドッグフードに切り替える

肥満犬用のドッグフードが市販されていますので、切り替えてみるのもひとつの方法です。手作りなら牛肉や豚肉を低カロリーな鹿肉に変えるなど摂取カロリーを落とします。また骨からだしを取ったスープをゼラチンで固めてもいいですね。

 

 

犬の肥満と減量について ダイエットで気をつけること

 

急激なダイエットはNG

ダイエットは気長に考えることが大切です。食事の量を減らしすぎたり、無理な運動をさせないように気をつけてあげてください。急激なダイエットはカルシウム不足を招いたり、関節をいためたりと非常に危険です。

 

リバウンド

人間と同じで犬もダイエットでリバウンドすることがあります。食事の量が減ったことで犬の体が危機感を感じて、一時的に代謝が低くなるのです。そのため順調に思えたダイエットが停滞したように感じてしまいます。

この時、食事量をさらに減らしすぎたり、ダイエットを諦めたりしないように注意する必要があります。また逆に犬の体重が減ったことで、ごほうびをあげたり食事の量を増やしてしまったりしてリバウンドするケースもあります。

 

犬の肥満と減量について まとめ

 

犬の肥満は深刻な状態だということがわかりました。それにしても飼い主さんの責任は大きいですね。うちの犬ダックスも現在、ダイエットの真っ最中です。ダイエットで食事を減らしているのでとにかく「かわいそう」と思ってしまいます。

 

だけどかわいそうなのは、「病気にしてしまうこと」だと自分に言い聞かせてがんばっています。それから、一番、難しいのはおばあちゃんの存在です。どうやら、こそっとおやつを与えているようなのです。おやつをやらないようにお願いしたり、ダイエットの必要性を理解してもらったりと努力はしているのですが・・・

 

これからダイエットを始めるという方、がんばってくださいね♪

 



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